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低PER×低配当74社と高PER×低配当450社を比較|配当が少ない株の見方

投資初心者

配当が少ない株は、投資対象から外したほうがよいのでしょうか。配当利回り1%以下には、利益を設備投資や成長事業に回している企業もあれば、利益が不安定で配当余力に乏しい企業もあります。無配という数字だけでは、将来性はわかりません。

四季報オンラインでPER10倍以下・配当利回り1%以下は74社、PER20倍以上・配当利回り1%以下は450社でした。この記事では配当の少なさが同じでも、PER・PBR・ROE・利益成長率を重ねると何が変わるのかを検証します。

結論を先に言うと、PERは投資候補を整理するための入口です。配当利回りも株価と配当予想によって動きます。2指標だけで購入を決めず、決算短信・会社予想・配当方針まで確認することが重要です。

調査方法:スクリーニング条件と読み方

グループPER(今期)配当利回り(今期)該当数
低PER×低配当10倍以下1%以下74社
高PER×低配当20倍以上1%以下450社

出典:ユーザー提供の四季報オンラインの2026年10月10日表示画面。検索式は「PER条件 AND 配当利回り条件」。PER10倍超20倍未満の銘柄は今回の比較対象外です。該当数は検索時点の件数であり、全社を個別検証したわけではありません。

PERは株価÷1株当たり利益(EPS)で計算され、利益が小さくなると高くなりやすい指標です。一方、配当利回りは年間配当÷株価です。利回りが高い場合、増配だけでなく株価下落が原因の可能性もあります。低配当の場合も、無配と少額配当では企業の方針が異なります。

以下の銘柄数値は提供画面に表示された値です。掲載時点の株価や最新IRを照合した数値ではありません。営業利益増減率の「来期」は、画面の「今期予→来期予」を指します。

低PER×低配当74社:割安なのに配当が少ない理由

低PER・低配当は「利益はあるのに配当を出さない」企業だけではありません。利益が一時的に膨らんでいる企業や、財務状況の回復を優先している企業も含まれます。PERが極端に低いときほど、計算の元となるEPSを確認する必要があります。

銘柄PER配当利回りPBR来期営業利益増減率
東京ボード工業(7815)0.33倍0.00%1.37倍—
日本精蝋(5010)3.50倍0.00%0.81倍-51.62%
オンザページ(9160)6.29倍0.00%0.90倍+37.14%
協和コンサルタンツ(9647)5.86倍0.44%0.77倍+6.79%

東京ボード工業(7815):PER0.33倍を「激安」と呼べない

PER0.33倍、配当利回り0%、前期EPS-300.10円。前期ROE-99.11%に対し、今期ROE452.80%と極端な変化が表示されています。通常の利益水準から外れている可能性があり、PERの低さをそのまま割安と判断するのは危険です。

見るべきなのは、利益の発生要因、自己資本の厚さ、事業継続に必要な資金です。自己資本が小さいとROEが大きく振れます。配当がゼロである理由を、利益剰余金や現金残高などから確認したい例です。

日本精蝋(5010):今期の回復と来期の減益を分ける

PER3.50倍、PBR0.81倍、利回り0%。営業利益増減率は前期→今期予+164.27%、今期予→来期予-51.62%です。直近の大幅増益だけを切り取ると成長株に見えますが、来期予想では減益です。

PERが低いのは今期利益が一時的に高いからかもしれません。製品市況や原料価格の変化を受ける事業では、平常時の利益水準を把握することが重要です。無配の背景が資金繰りなのか経営方針なのかも切り分けましょう。

オンザページ(9160):無配でも利益成長が予想される

PER6.29倍、PBR0.90倍、利回り0%、今期ROE19.78%。営業利益増減率は前期→今期予+55.76%、今期予→来期予+37.14%です。低PERと増益予想が両立しているため、追加調査の候補になります。

ただし、無配の理由は画面だけでは断定できません。成長投資に資金を回しているのか、資金余力が十分でないのか。売上高の推移、利益率、営業CF、株主還元方針を確認してはじめて「無配でも魅力があるか」を考えられます。

協和コンサルタンツ(9647):低PER・低PBRでも安定性を確認

PER5.86倍、配当利回り0.44%、PBR0.77倍、今期ROE15.16%。来期営業利益増減率は+6.79%です。低い評価倍率と利益効率の数字が同時に見られます。

この組み合わせでも、利益が継続的に稼げるかは別です。受注残高、公共投資や人件費の影響、配当方針を調べ、低配当が一時的なのか継続的な資本政策なのかを確認します。

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高PER×低配当450社:成長投資型と利益低迷型を分ける

高PER・低配当の450社は、配当より成長を重視する企業が含まれる一方、純利益が小さいためPERが高くなっている企業もあります。PERが数百倍でも、必ずしも株価の下落を意味しません。反対に、利益成長率が高くても現在の株価が割安とは限りません。

銘柄PER配当利回りPBR来期営業利益増減率
フライヤー(323A)21.94倍0.00%4.29倍+50.00%
SHIFT(3697)34.83倍0.43%6.29倍+12.50%
フジオフードグループ本社(2752)720.00倍0.26%6.93倍+37.50%
ケア関連例:ユナイテッド&コレクティブ(3557)487.00倍0.00%—+66.66%

フライヤー(323A):成長率の高さとPBRの高さを両方見る

PER21.94倍、利回り0%、PBR4.29倍。営業利益増減率は前期→今期予+233.33%、今期予→来期予+50.00%です。数字上は成長率が高い一方、PBRも高いため、市場の期待が株価に織り込まれている可能性があります。

高成長率は、利益額が小さい段階でも大きくなります。営業利益の金額、売上高との関係、投資負担、競争環境を確認し、予想未達の場合の評価倍率の変化も考える必要があります。

SHIFT(3697):利益成長があっても高い評価は続くか

PER34.83倍、利回り0.43%、PBR6.29倍、今期ROE17.73%。来期営業利益増減率は+12.50%です。利益効率が一定程度あっても、PBRが高ければ、成長期待がすでに株価へ反映されている可能性があります。

低配当が直ちに弱点とは限りません。重要なのは利益を再投資することで、株主にとっての企業価値が増えるかどうかです。売上成長と利益率、営業CF、株式数の変化などを合わせて確認したいところです。

フジオフードグループ本社(2752):PER720倍はEPSから考える

PER720.00倍、配当利回り0.26%、今期ROE0.92%、PBR6.93倍。来期営業利益増減率は+37.50%です。営業利益が回復しても、今期の純利益が非常に小さければPERは極端に高くなります。

このケースではPERの数値だけで割高と断言するより、純利益が小さい理由と回復後の利益水準を確認するほうが実用的です。配当を受け取る目的の投資には、配当の小ささも踏まえて比較する必要があります。

ユナイテッド&コレクティブ(3557):低い利益水準と回復予想

PER487.00倍、配当利回り0%、前期EPS-52.35円、今期ROE1.00%、来期営業利益増減率+66.66%と表示されています。利益が赤字から回復する過程では、PERが企業の通常の収益力を表しにくくなります。

翌期の増益予想は確認材料ですが、今期の利益がどの程度あるか、回復が継続するかを見なければ、成長性の判断はできません。特に利益の小さい企業は、数値の変動幅に注意が必要です。

低配当株を評価する6つのチェック

① 無配の理由

会社の配当方針、投資計画、利益剰余金を見て、成長投資か財務上の制約かを分けます。

② EPSと純利益

極端なPERは純利益が小さい・一時利益があるなどの理由で歪むことがあります。

③ 営業利益の絶対額

成長率100%でも、利益額が小さければ金額としての増益は限定的です。

④ ROEとPBR

利益効率と株価評価を同時に見ます。自己資本が小さい場合のROEの急変にも注意します。

⑤ 営業CFと資金需要

再投資が現金を生み出しているか、借入返済や設備投資に無理がないかを確認します。

⑥ 株主還元の見通し

将来の増配可能性を推測する前に、企業が公表している還元方針を確認します。

自分で確認するときの具体的な手順

最初に、スクリーニング結果から気になる銘柄を3〜5社だけ選びます。次に各社の決算短信で営業利益・当期純利益の実額を確認し、過去数年の推移を並べます。最後に配当方針、営業キャッシュフロー、財務状況を確認します。この順序なら、いきなり何百社も読む必要はありません。

企業を比較する際は、PERの低さ・高さを結論にせず、「今期の利益が平常時より高い/低いのではないか」「配当の原資は十分か」「株価にどの程度の期待が含まれるか」という仮説を立てると、調べるべき情報が明確になります。

よくある質問

無配株は損?

必ずしもそうではありません。利益の再投資が将来の企業価値につながる可能性がありますが、成果が出る保証はありません。

PERが数百倍の株は必ず下がる?

いいえ。EPSが小さいとPERが極端になります。利益の回復見通しと株価の期待を分けて考える必要があります。

低PER・無配なら増配期待で買える?

増配の可能性だけでは不十分です。企業の配当方針と現金創出力を確認する必要があります。

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まとめ

低PER×低配当74社には、無配でも増益が予想される企業と、利益や財務の変動が大きい企業が混在します。高PER×低配当450社には、成長投資への期待が高い企業と、純利益の小ささでPERが極端になっている企業があります。配当の有無だけで評価せず、利益の持続性と資金の使い方を確認することが、納得できる銘柄選びにつながります。

※本記事は情報提供を目的とし、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資には元本割れ等のリスクがあります。掲載値は2026年10月10日の提供画面に基づき、企業の最新IRで再確認したものではありません。

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