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営業利益の伸びが0〜5%の企業を調べてみた|今期は低成長でも来期伸びる企業はある?

投資初心者

PER、PBR、ROEなど、企業を見るときに使われる指標を一つずつ確認してきました。今回は「成長率」に注目します。

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会社四季報オンラインで「営業利益増減率(前期→今期予)」が0%以上5%以下の企業をスクリーニングしたところ、420社が該当しました。420社すべてを詳しく見るのではなく、今回はその中から営業利益増減率が営業利益増減率が低い側から80社を実際に確認しています。

ポイントは、今期の成長率だけで終わらせず「営業利益増減率(今期予→来期予)」まで見ることです。今期はほぼ横ばいでも来期に成長が加速する企業がある一方、来期も低成長が続く企業もあります。

なお、この記事は営業利益の成長率という単独指標を確認する記事です。PER・PBR・ROEなどとの複合分析は行いません。単独指標シリーズを一通り確認した後、別記事で組み合わせて分析する予定です。

営業利益増減率とは何か

営業利益は、企業が本業でどれくらい利益を稼いだかを見る代表的な利益です。営業利益増減率は、その営業利益が前の期と比べて何%増えた、あるいは減ったのかを示します。

たとえば営業利益が100億円から105億円になれば、単純化すると増加率は5%です。今回の「前期→今期予0〜5%」は、今期の営業利益が前期と比べて横ばい〜小幅増益と予想されている企業を探す条件と考えると分かりやすいです。

ただし、成長率が低いから悪い企業とは限りません。前年の利益水準が高かった、先行投資を増やしている、一時的な費用が出ているなど、背景によって意味は変わります。反対に、来期の成長率が高いからといって、そのまま良い投資先だと判断できるわけでもありません。

今回のスクリーニング条件

確認項目条件・結果
使用サービス会社四季報オンライン
条件営業利益増減率(前期→今期予)0%以上、5%以下
該当企業数420社
今回の詳細確認増減率が営業利益増減率が低い側から80社
80社の範囲確認した80社では0.00%〜2.59%
主な比較項目営業利益増減率(今期予→来期予)
今回扱わないものPER・PBR・ROE等との複合分析、理論株価

今回の80社は420社全体を代表する無作為抽出ではなく、「今期の営業利益成長率が低い順」の80社です。そのため、以下の結果を420社全体や日本企業全体の傾向として扱わないよう注意します。

0〜5%で420社が該当。そのうち営業利益増減率が低い側から80社を確認

条件に該当した420社のうち、今回確認した80社は0.00%〜2.59%の範囲でした。つまり、0〜5%という条件の中でも特に今期の伸びが小さい企業を中心に見ていることになります。

この80社を来期予想で分けると、今期だけを見たときとは印象がかなり変わりました。

80社を来期予想で分類するとどうなった?

今回は比較しやすくするため、来期の営業利益増減率が「5%超」を成長加速、「0〜5%」を低成長継続、「0%未満」を減益予想として整理しました。これは記事内で比較するための便宜的な区分であり、一般的な投資判断基準ではありません。

分類社数80社に占める割合今回の見方
来期に成長加速(5%超)52社65.0%今期は低成長でも来期予想では伸びが大きくなる
来期も低成長(0〜5%)28社35.0%今期に続き来期も0〜5%の範囲
来期に減益予想(0%未満)0社0.0%今回確認した80社では該当なし

今回確認した80社では、来期に5%を超える営業利益成長が予想されている企業が52社、来期も0〜5%の企業が28社でした。来期がマイナス成長となる企業は、今回の80社では確認できませんでした。

ここは意外でした。今期の数字だけを見ると80社すべてが「ほぼ横ばい〜低成長」に見えますが、来期予想まで進むと半数を大きく超える企業が5%超の伸びに移ります。

特徴的な企業を比較|今期だけでは印象が変わる

企業今期(前期→今期予)来期(今期予→来期予)見え方
イシン0.00%100.00%今期横ばい→来期は大幅増益予想
ブッキングリゾート0.19%27.45%今期ほぼ横ばい→来期20%超
シュッピン0.51%17.64%今期1%未満→来期2桁成長
ニフティライフスタイル0.92%20.83%今期1%未満→来期20%超
データ・アプリ1.44%25.00%今期低成長→来期25%予想
まぐまぐ0.00%0.00%今期・来期とも横ばい予想
セブン&アイHD0.47%0.70%今期・来期とも1%未満

たとえばイシンは、今期だけなら0.00%で「成長していない」と見えます。しかし来期予想は100.00%。ブッキングリゾートも0.19%から27.45%、シュッピンも0.51%から17.64%です。

一方、まぐまぐは0.00%→0.00%、セブン&アイHDは0.47%→0.70%で、来期も低い伸び率が続く予想です。同じ「今期0〜1%程度」の企業でも、来期まで見るとかなり違う姿になります。

個人的に気になった5社

今回の80社の中で、売買推奨ではなく「数字の理由をさらに調べてみたくなった」という意味で気になったのは次の5社です。

1. イシン|0.00% → 100.00%

今回もっとも変化が大きく見えた例の一つです。今期だけなら横ばいですが、来期は倍増ペースの予想。なぜここまで変化するのか、利益の絶対額や前年の反動、事業計画まで確認したくなる数字です。

2. ブッキングリゾート|0.19% → 27.45%

今期はほぼ横ばいなのに、来期は20%を大きく超える予想です。「今期の成長率だけで候補から外すと見落とす」という今回の記事テーマを分かりやすく表しています。

3. シュッピン|0.51% → 17.64%

今期0.51%から来期17.64%へ。極端な100%ではない分、来期の2桁成長がどの事業から生まれる想定なのかを確認したくなりました。

4. ニフティライフスタイル|0.92% → 20.83%

今期は1%未満ですが、来期は20%超。今期と来期の差が大きく、単年度の成長率だけでは企業の見え方が変わる例です。

5. データ・アプリ|1.44% → 25.00%

今期1.44%から来期25.00%。今回の80社の後半に位置する企業でも、来期予想まで見ると高い伸び率になる例として気になりました。

この5社を「良い企業」「買いたい企業」と評価しているわけではありません。次に調べるなら、なぜ来期予想が大きく伸びるのかを決算資料や会社の公式IRで確認する、という入口として選んでいます。

今回確認した80社における業種別の傾向

前回のROE記事と同じように業種別の傾向も確認したいところですが、今回提供された四季報のスクリーンショットには「業種」の列が表示されていません。会社名だけから業種を推測して80社を分類すると誤分類が混ざる可能性があるため、推測による社数集計は行いませんでした。

したがって、現時点でデータから確実に言えるのは「来期5%超の成長加速が52社、0〜5%の低成長継続が28社、来期減益予想は0社」という分類までです。業種別の『どの業種が多いか』については、80社それぞれの公式業種分類を確認できるデータを追加した時点で集計するのが安全です。

ここは記事上でも明確に線を引きます。今回の結果は、あくまで今回確認した低成長順80社における結果であり、日本企業全体、条件該当420社全体、各業種全体の傾向を示すものではありません。

80社すべては載せず、節目と特徴的な企業を確認

80社の全銘柄一覧を掲載すると記事が長くなるため、本文では全件表を載せず、確認値の節目と今回の記事テーマが分かりやすい企業に絞ります。

確認ポイント企業・順位今期増減率来期増減率
確認値の節目イシン0.00%100.00%
確認値の節目DCMHD0.59%7.69%
確認値の節目ブルドックソース1.14%20.96%
確認値の節目森永製菓1.81%5.26%
確認値の節目Umios2.59%9.37%
来期加速例ブッキングリゾート0.19%27.45%
来期加速例シュッピン0.51%17.64%
来期加速例ニフティライフスタイル0.92%20.83%
来期加速例データ・アプリ1.44%25.00%
低成長継続例まぐまぐ0.00%0.00%
低成長継続例セブン&アイHD0.47%0.70%

全80社を確認した集計結果は、来期5%超の成長加速が52社、来期も0〜5%の低成長継続が28社、来期減益予想は0社です。全銘柄を羅列するより、この集計と代表例を中心に見ることで「今期だけでは分からない」という今回のポイントをコンパクトに伝えます。

営業利益成長率を見る際の注意点

1. 成長率が低い=悪い企業ではない

前年の営業利益がすでに高水準なら、そこから数%伸ばすだけでも利益額は大きい場合があります。逆に利益額が小さい企業では、少し利益が増えただけでも成長率が大きく見えることがあります。

2. 来期の高成長予想だけで判断しない

来期予想は将来の見通しです。実際の業績は景気、原材料費、人件費、為替、需要などによって変わります。100%成長という数字があっても、利益の絶対額やその理由を確認する必要があります。

3. 一時的な要因で伸び率は大きく変わる

前年に一時的な費用があった、今期に先行投資をした、来期にその費用がなくなる、といった場合にも増減率は大きく動きます。数字の背景を決算資料や公式IRで確認することが重要です。

4. 今回は成長率だけを見る

PERが低いか、PBRが低いか、ROEが高いかなどを組み合わせると見え方はさらに変わります。ただし今回はあえて混ぜません。単独指標を一つずつ理解したうえで、最後に複合分析へ進みます。

まとめ

  • 営業利益増減率(前期→今期予)0〜5%の条件では420社が該当した。
  • 今回は420社すべてではなく、営業利益増減率が低い側から80社(0.00%〜2.59%)を確認した。
  • 来期予想が5%超に加速する企業は52社、0〜5%が続く企業は28社だった。
  • 今回の80社では、来期の営業利益増減率がマイナスとなる企業は確認できなかった。
  • イシン0.00%→100.00%など、今期だけを見る場合と来期まで見る場合で印象が大きく変わる企業があった。
  • 成長率が低い=悪い企業、来期成長率が高い=良い投資先とは断定できない。
  • 今回は営業利益成長率の単独分析。PER・PBR・ROEとの複合分析は別記事で行う。

今回の調査で分かったのは、「今期の成長率が低い」という一つの数字だけでは、その企業の次の姿までは分からないということです。次に企業を見るときは、今期の数字に加えて来期予想まで一歩進めて確認してみます。

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